手紙やお葉書の時候のあいさつに「入梅の候」。
入梅といえば長雨が続く時期でもありますが、一体入梅の候の時期はいつからいつまでか気になりますよね。
ここでは入梅の候の意味や読み方、2021年の時期がいつからいつまでのかなどについてご紹介していきます。
入梅の候とは?読み方や意味
入梅の候の入梅の意味は、雑節(ざっせつ)という二十四節気、五節句の暦日のことをいいます。
また雑節気は「季節の変わり目」などでつけられた特別な暦日のことを言い、その一つに梅雨に設けられたのが『入梅』です。
入梅は梅雨入りの時期ともいわれ、入梅の時期は『恵みの雨』とも言われています。
昔から田植えは入梅時期から始まるとされていました。その理由としては、田植えにとっては雨は欠かせないからです。
また昔は納税をする際はお米で納めていたため、梅雨を把握する必要があったからともされています。
入梅の候は「にゅうばいのこう」意味は、時候のあいさつをいう言葉で、「梅雨の時期や季節になりました」という意味があります。
ちなみに入梅の候の「候」の意味は、季節や気候などの意味もあります。
入梅の候の時期とはいつ頃のこと?
入梅の候の時期は6月上旬~下旬とされています。
入梅の時期は毎年違いますが、平均的に6月10日、11日ごろになります。
入梅=梅雨と思われがちですが、特に関東では入梅の時期自体を梅雨と呼んだりもします。
ちなみに入梅の時期と梅雨の時期は違ってきます。
これは日本の梅雨入りが沖縄から本州へと北上するにあたり、5月下旬から長雨が続く地域がでてくるため例年多少のずれはあるからとされているからです。
そのため上記の時期よりも、特に沖縄や九州などでは早く訪れる傾向が多いです。
天気予報を見ていても入梅=梅雨入りを表現しますが、上記のように地域によって変わってくるので、梅雨入りを知りたい場合は天気予報の『梅雨入り宣言』が目安となります。
入梅時期2021はいつからいつまで?
2021年の入梅の時期は「6月11日」となります。
入梅は6月11日となりますが、梅雨の時期はもう少し早めの6月5~8日入りが多いです。
では逆にいつまで入梅の時期なのか。
例年7月上旬~中旬ぐらいとなっています。
それぞれ入梅の終わりの時期は違ってくるので、梅雨明けが終わりの時期となります。
ちなみに2022年、2023年は6月11日になります。
入梅イワシとは?
入梅と調べると「入梅イワシ」というものが出てきますよね。
漢字では入梅鰯(イワシ)とも書きます。
なぜ入梅鰯というものが出てくるかというと、入梅の時期は鰯に脂がのっていて美味しい時期とおんらうからです。
入梅の時期には入梅イワシを楽しむイベント尾もあり、千葉県銚子市の「うめぇもん入梅いわし祭り」などが有名で、入梅イワシをたべることができます。
近隣でも入梅イワシを取り扱っている店舗もあるため、美味しいイワシを食べるチャンスの時期でもあるわけです。
入梅の候で長雨が続く理由
入梅の時期は「梅雨」とも呼ばれていますが、長雨が続くことが多いですよね。
入梅の6月の時期は雨がなぜ多い時期なのかというと、東南アジアの気象状況が関連しているとされているからです。
6月の時期には大陸の冷たい空気と、太平洋の暖かい空気がお互いがぶつかり合います。
そのことから大気が不安定になり、ぶつかり合っている部分に梅雨前線が発生して、なおかつ停滞するため長雨が続くとされています。
入梅の時期に雨の日でも気温の寒暖差があるのは、気圧の攻防がぶつかり合っているからです。
気温差がそこまでない場合は長雨は続かないのですが、寒暖差が激しいほど長雨になりやすい傾向にあるそうです。
入梅の時期に「梅」が入る理由
入梅や梅雨には「梅」という時が入りますよね。入雨や長雨なんて呼び名でいいような気もすると思います。
なぜ梅の字が入るかというと、梅が実る時期だからとされています。
梅の実時期に入るから「入梅」。
梅の時期に雨が降るから「梅雨」。
という意味合いがあるからとされています。
梅は昔から梅干しや梅酒などの保存食として活用されていました。
梅は身体によく、強い殺菌効果や疲労回復に効果のあるクエン酸が含まれていて、体調不良にも向いています。
入梅の候や梅雨は梅が実る時期になるので、梅干しや梅商品が美味い時期でもあります。
梅酒などはお酒でもさっぱりしやすいので飲みやすいですので、梅好きには一番美味しく召し上がれる時期となります。
梅雨の読み方はなぜつゆと呼ぶのか?
梅雨の読み方についても疑問に思いませんか?
入梅はそのまま読めますが、梅雨の場合は「うめあめ」や「ばいあめ」などの読み方で読めそうですが、なぜ「つゆ」と読むのでしょうか。
それは雨の『露』の連想で、梅雨の読み方を『つゆ』という風に読むようになったとされているそうです。
梅雨以外でつゆの読み方がある漢字
また入梅は梅雨以外にも、漢字は違っても同じ読み方があります。
それが「黴雨」です。
まず黴という読み方がわからない方が多いと思いますが、カビと呼びます。
あの梅雨の時期に多い、あの「カビ」のことです。カビの雨とかいて、黴雨(つゆ)と呼ぶんです。
なぜカビがでてくるかというと、入梅の時期はじめじめしているので、カビが発生しやすくなりますよね。
それが理由で黴雨ともいうようになったそうです。
入梅の時期は食べ物に注意する
入梅の梅雨の時期は、黴雨ともいわれるようにカビなどが生えやすく『食中毒』が発生する時期にもなってきます。
調理器具は清潔にして、食べ物の管理などには気を付けましょう。
食中毒予防や台所用品を清潔にするには、口などに入れても大丈夫な専用のお水などで殺菌消毒するのがおすすめです。
⇒お食事前の新習慣で食中毒予防!【すっきり洗菜ベジシャワー】
入梅の候はカビ対策を
入梅は雨が多いので室内に洗濯物を部屋干しすると湿度があがるため、カビが発生しやすくなります。
また押し入れやクローゼットなどもカビが発生しやすくなります。
梅雨の時期は洗濯ものを部屋干しで乾かす場合は、除湿機やエアコン、扇風機などを使い室内の空気を部屋全体に回すようにするとカビ予防となりおすすめです。
扉を全体的に開けて、扇風機を当てるだけでも違ってきます。
入梅にてるてる坊主を飾る理由や由来
余談ですが、入梅や梅雨の時期になると雨がやんで欲しいために、子供たちが「てるてる坊主」を作りますよね。
じつはこれは日本の風習みたいなものですが、てるてる坊主はの由来は中国の「掃晴娘」からきているという説があります。
中国の掃晴娘は手にほうきを持ち、そのほうきで雲を払い晴れの気を呼ぶとされる「女の子の切り人形」で、このことがてるてる坊主の由来となっています。
中国ではほぼてるてる坊主をつるす風習はなく、日本では江戸時代から似たようなものが飾られるようになったそうです。
ただてるてる坊主の由来が女の子なのに、日本では『坊主』とされていますよね。
日本の場合、雨をやませて晴れの気を呼ぶ『日乞(ひこい)』というものをするのは僧侶(そうりょ)でした。
日乞(ひこい)は坊主の仕事なので、徐々に男の「坊主」の姿に変わったそうですよ。